[第18号:2018-5-20]

本号の主な内容

お知らせ

  • 2018年から空手武道通信は第3週の日曜日の更新とささていただきます。
  • デジタル空手武道通信は、常時コンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。
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  • ※近日中に以下の更新、掲載を予定しています。
    IBMA極真会館空手道の基本修練項目を改訂版の掲載を予定しています。
    IBMA空手競技規定の改訂版。
    増田章の空手レッスン。

 

 

 

From Akira Masuda

より善い心身創出のための武道〜”試し合い”武道のすすめ

注目更新のお知らせ

試合映像:IBMA極真会館増田道場 前期交流試合 映像(2018−5−4)
  • 第1試合〜10試合
  • 第82試合以降(決勝)
試合映像について

PCの調子が悪く、映像編集が思うように進みませんでした。今後、他の試合もアップしたいと思います。

 

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編集後記〜デジタル空手武道通信 第18号

 

今回の交流試合では、従来のIBMA極真会館方式の極真スタイルの試合のみならず、私が考案したTSスタイルの試合方式を実施した。防具の準備が間に合わなかった(もう少し見た目の良い防具を採用したい)。

「TSスタイルとは、私が40年近く心がけてきた組手法と到達した組手理念をみんなに伝えるための手段である」と言っても、すぐには理解できないに違いない。

ここ数年、私は自分の空手理論を後世に残せるよう磨きをかけている。しかしながら、どんなに磨いても輝きは出てこなかったように思う。むしろ輝くが失せていくような感さえあった。今回の交流試合までにも、大変な苦労があった。生理的反応として、交流試合後、PCに向かうのが嫌になったほどだ。

今もそんな状況である。しかし、その代わり、本を読見たくなっている。つまり私が得た直感をさらに掘り下げたいという思いが強く湧いてきている。

一方、TSスタイルの検証という責務もある。研究のためのインプットの時間捻出にも苦心しなければならない。ただ、T Sスタイルには、空手の稽古法、試し合いの方法としては、有益かつ革新的との実感がある。ただ、その将棋のような構造を伝え、皆に実施させるには、想像もつかないような障壁が待ち構えているかもしれないと思っている。それでも、私はこの道を行こうと思っている。すでに孤独は覚悟している。いまに始まったことではない。また、これまで以上の孤独が待ち構えているかもしれない。もしそうなら、今回の直感が本物の証拠だろう。私の覚悟することは、人の意見に左右されないことだ。

話は変わるが、交流試合の二日後、極真会館の松井館長と食事をした。後輩の岩崎氏と3人での会合だったが、昔ばなしを始め、様々な話題で盛り上がった。気がつけば深夜の1時、松井氏の行きつけの飯倉の有名なイタリアンレストランの閉店時間だった。

松井氏とは、10代の頃に知り合ってから35年以上の歳月が流れた。その内、20年近くは対立的な立場にあった。これまで、大きく異なる立場で極真空手に接してきたはずなのに、同様の化学反応と環境応答をしていたように感じる。平たくいえば、その空手観が非常に親和性の高い状態にあるようだ。

彼と話をしていると、絶望の中にかすかな希望の光を見る感がする。そんな風にいうと、彼を嫌う者から増田の感覚も嫌われる対象になるかもしれない。しかし、そんなことはどうでも良い。嫌われても結構。そもそも増田も嫌われ者である。私は、嫌われることを嫌がる人間など、評価に値しない人間だと思う。言い換えれば、嫌われることを恐れて何も言わない人間は、結局、仕事をしようとしていない人間である。はっきりと物を言う。私は、そんな人が好きだ。また、そんな人になりたい。そんな人ではない自分が嫌だから、尚更である。

これまでの人生で、私の中には、書き記しておきたい感覚がある。私は、その感覚によって苦しみ悶えきた。しかし、その苦しみには普遍性があり、その普遍性を解決すれば、多くの人を救うことができると考えている。なんとかその感覚を伝わるように表現したい。それによって私自身も救われるかもしれない。その人々の救済の立役者が松井氏になる可能性だってある。

最後に、私は今、読書欲と研究欲が強い。研究が飛躍するような気がするのだ。ゆえに皆と足並みを揃えてはいられない。そして、皆を置いてきぼりにするかもしれない。ただ、それではいけないと思うので、合宿研修や講習会、またデジタル空手武道通信によって、感覚の違いを補いたいと思っている。