[第16号:2018-3-18]

From Akira Masuda

 

デジタル空手教本〜注目更新のお知らせ

 

※近日中に以下の更新、掲載を予定しています。
  • IBMA極真会館空手道の基本修練項目を改訂版の掲載を予定しています。
  • IBMA空手競技規定の改訂版。
  • 増田章の空手レッスン。

お知らせ

  • 2018年から空手武道通信は第3週の日曜日の更新とささていただきます。
  • デジタル空手武道通信は、常時コンテンツを修正、補充(アップロード)していきます。
  • すべてのページの閲覧には定期購読会員登録が必要です。デジタル空手武道通信の案内
本号の主な内容
  • FromAkiraMasuda:平昌冬季パラリンピックを観て
  • デジタル空手教本:増田レッスン
  • 編集後記

バックナンバー

編集後記〜デジタル空手武道通信 第16号

 

【心と心のつながり〜故平尾誠二氏に捧ぐ】

私はかなり前、一昨年、急逝した元ラグビー日本代表監督の平尾誠二氏と神戸にある洒落たBARでお酒を飲んだことがある。私と平尾氏とは同じ学年である。その時は、共通の知人がセッテイングしてくれた。その時の話題が「スポーツは遊びか」だったように記憶する。たまたまだったが、私は遊びとは、人間にとって有意義な行為であり、それを深化させていくことは、崇高な行為であると、持論を展開した。それに平尾氏は合わせてくれた。その席をセッテイングしてくれた知人は、理論家の平尾氏とバンカラな空手家の話が合うか心配していたようだ。その知人も同学年である。平尾氏は私よりも少し背が高く、スタイルも良かった。一言で言えば、かっこ良かった。別れ際、自分の携帯番号を教えてくれ、いつでも電話してくださいと言ってくれた。とても社交的な人でもあった。当時の私は、空手界がもめていて、毎日憂鬱だったことを覚えている。

私は平尾氏が亡くなったとニュースで知った。とても残念であるとともに、人の命の儚さを感じずにはいられなかった。ここ数年、同様に数人の知人が夭逝した。そんな中、私が思うことは、「必ず人は死ぬ」。ゆえに「一番大切なものは何か?」「それを大切にしよう」ということである。

私の一番大切なものとは何か?「健康」「家族」「…」?私が大切にしたいことは、抽象的だが「心と心のつながり」である。身体に無理を強いて製作している、デジタル空手道教本もそのためのツールである。今、非力な私が頼りにするのは空手であり、それを使って、我が心と他者の心が深くつながることを目指したい。今はまだ、私の発信する電波が弱く、人に届かなくても、いつか必ず受信できるようにしたいと考えている。

私は平尾氏との出会いを進展させず、惜しいことをしたと思っているが、彼の心から発信された電波を受信したつもりだ。その平尾氏が夭折し、いつか平尾氏について書きたいと思っていたが、パラリンピックを見て思い出した。今回のコラムは平尾氏のことを思い出しながら書いた。