突き技に対する防御技〜6種類の肘受け(基本形)
「肘受け」は増田 章が考案した独自の技。この技は相手の攻撃を小手を使い防御するのではなく、肘を使い、相手の攻撃の威力を弱体化するように防御する。肘受けによる防御は、受けると同時に相手への反撃とすることができる。この技は、極真空手の組手法よりも、頭部打撃の攻防や護身技として有効な技である。高度な技であるが、初心者の時から反復して稽古を行い、身に付けて欲しい技である。
肘受けには、『肘・右内受け(写真2)』『肘・左内受け(写真3)』『肘・右外受け(写真4)』『肘・左外受け(写真5)』『肘・右落とし受け(写真6)』『肘・左落とし受け(写真7)』の6種類がある。
※肘受けは、肘打ちのように用いることもある。しかし、初めは肘打ちと考えない方が良い。なぜなら、肘受けを初心者が用いると、相手を意図せず、怪我させることがあるからだ。そのような肘受けは、間違っている。受け技に上達すれば、なるべく相手を傷つけずに相手の攻撃を弱体化することが可能だ。繰り返しになるが、肘受けは、肘打ちと考えずに、なるべく相手を傷つけないよう、受け方を吟味してほしい。
※肘受けは増田空手の独自の技である。合わせて肘打ちの稽古もすること。今後、肘打ちの稽古法も掲載したい。
※肘受けは、「護身技」に含まれる頭部打撃の稽古に重要な技である。より上位の空手道を目指すなら、通常の組手稽古においても肘受けの使用を試みて欲しい。
- 肘受けの活用例→肘受けを用いた約束組手
- 肘打ち
重要点の復習
突きに対する肘内受けの使い方の要点は、相手の突きを下から、受け崩し、突きの起動をずらし、その威力を弱体化することだ。また特殊な肘受けとして、相手の突き技の拳そのものを受けるものがある。増田空手の肘受けは、そのような使い方も含むが、増田空手の哲学と本質的に異なる使い方である。
肘受けの歴史
「肘受け」増田章が20数年前に考案した。続きはこちらから
肘受けの注意点
- 「肘内受け」は外受け(伝統技)ではありません。また、払い受け(組手技)でもありません。ゆえに技の動作(軌道)が間違っていると、減点されます。突きに対する肘内受けの使い方の要点は、相手の直突きの胴体とでも言える、腕を下から、受け崩し、突きの起動をずらし、その威力を弱体化することです。また特殊な肘受けとして、相手の突き技の拳そのものを受けるものがありますが、それは増田空手の肘受けは、そのような使用法も含みますがとは本質的には異なります。
- 肘落とし受けを組手稽古で用いる時は、あまり強く肘を落とさないこと。相手が怪我をします。特に相手がスピードを落として、軽く組手を行なっている場合は、手加減をしているのであって、受け手も手加減をしてください。
審査合格のためのチエックポイント
- 組手立ちの形が正確でなければ、減点されます。→手構え/両足の幅、体重のかけ方/
- 肘外受けを用いる場合、肘が上に上りすぎると減点されます。
- 肘内受けは相手の突きの手首から腕(小手)の部分を肘を使い、下から擦り上げるようにして受けること、そのような肘の使い方ができていなければ、減点されます。
2017-7-14 一部修正後、再掲載